そして僕を手放さずにいて

アイドルオタクのときめき備忘録

「伊藤万理華」という「印象」

真っ赤な口紅がずっと脳裏に焼き付いている。

マットな、ざらつきのある口紅が、毒々しく唇と肌を染めていく様が。

 

昨年11月末に京都・北野天満宮で開催されていた「伊藤万理華の脳内博覧会」の会場で流れていた映像が、このたび乃木坂46の公式YouTubeチャンネルで公開された。私が博覧会会場の映像コーナーに入室したときにはちょうど「トイ」が流れていて、伊藤万理華さんが鏡の中の自身に向かって「…見んなよ」と吐き捨て、真っ赤な口紅をぐりぐりと塗り付けるところだった。入室早々見んなよとは言われたが、その独特な世界観にのめり込むようにして何度も見入ることになった。その時の真っ赤な口紅の色味やざらつきのある質感が異様に生々しく、今でも口紅を繰り出すときに脳裏をよぎるほど、私の中にこびりついている。私は万理華さんの世界観が大好きだ。

伊藤万理華 『トイ』 - YouTube

私の中で「乃木坂46」のイメージのひとつとして「質感」という概念が薄かったりする。どこか浮世離れしているような、一枚ベールを纏っているかのような、生々しい人間くさい「質感」を感じないイメージがある。それが俗に言う「綺麗」や「清潔感」に通ずるのかもしれない。けれどその時その空間にあった「伊藤万理華」という人には明確な質感があった。ざらつきも、べたつきも、愚かさや浅はかさなどの人間くささも確かにそこに感じられた。ああ、こういう形で彼女の脳内にいるのかと我に返る場面だった。我に返るというか、呆気にとられると言うほうが近いのかもしれない。

 

そして「トイ」と合わせて流れていたのは「はじまりか、」だった。卒業を前にした万理華さんの総集編と言えるような内容の作品で、毎回万理華さんの個人MVを楽しみにしていた私は歌詞の中に出てくるこれまでの個人MVの歌詞をピックアップしては嬉々としていた。けれど曲が進み、視聴回数を重ねるうちに、だんだんと万理華さんのファンの方がうらやましいと思うようになった。「なんとオタク冥利につきる相手なんだ」と感激した。

伊藤万理華 『はじまりか、』 - YouTube

様々なアイドルを見ていて、応援していて、正直迷うときも何度もある。

応援している相手が突然やめてしまうこともあったし、転職することもあった。

果たして彼ら、彼女らは何を思っていたのかと、考えてもしょうがないことをふと考えることもいまだにある。今もステージに立ち続けていたら、彼らの夢は叶っていたのだろうかとも思う。考えても仕方ないことだし、正解はないのだけれど。

 

でも「はじまりか、」を歌い踊る姿を眺めているうちに「そう思ってもらえてたらうれしいなあ」と思うようになったし、今応援している人たちにも変わらず声をかけていきたい、いやかけていかなくてはと思うようになった。

畑は全く違うけれど、ジャニーズJr.のオタクは共感性が強いと思ってる。後列ばかり見てしまう習性の人はぜひ繰り返し見てじわじわと実感してほしい。「万理華さんがきっとアイドルの立場を代弁してくれているんだな」と思ってほしい。まあ半分こちらの願望めいたところはあるんだけれど、その余白を作ってくれるのがある種救いだと私は思います。

 

本当に素敵な作品なので、お時間のあるときにいろんな人たちに見てほしいなあ。

私はようやくお給料日になるので万理華さんの写真集をお迎えに行こうかと思います。

楽しみだ。伊藤万理華さんのこれからが、とっても楽しみだ。

これから、何を見せてくれるのか、とっても楽しみだ。

 

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